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ジャッキー・チェンの出世作『蛇拳』と『酔拳』、勝つのは、どっちだ?

映画の話14

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どちらも、

シーゾナル・フィルム社で制作された1978年公開作品*1

第1作目が『スネーキーモンキー 蛇拳』で、

第2作目が『ドランクモンキー 酔拳』。

監督は、2作ともユエン・ウーピン*2

蛇拳」は、1978年の香港映画興行収入第8位

酔拳」は、1978年の香港映画興行収入第2位に入り、

両作品ともに

一介のカンフースターでしかなかったジャッキー・チェン

一躍トップ・カンフースターの座を掴む出世作となった。

 

【主人公の比較】

『スネーキーモンキー 蛇拳の主人公は、

簡福(ガンフー)。

縁起の良い名前らしいが、

道場で雑用係や、練習台とされるなどみじめな存在

『ドランクモンキー 酔拳の主人公は、

黄飛鴻(フォン・ウェイフォン)。

道場主の息子で、自信過剰な面あり

黄飛鴻は、歴史上の人物*3だが、

名前を借りただけで、史実に基づいては、いない。

1970年代の香港カンフー映画は、

シリアスな「復讐劇」一辺倒だったため、

蛇拳」にも、シリアス設定がなされるも、

ジャッキー・チェンの持つコミカルな一面が大衆受けしたため、

酔拳」では、コミカル要素が全面に押し出された。 

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【拳法の比較】

『スネーキーモンキー 蛇拳では、

蛇の動きをまねた象形拳法である「蛇形拳」が、

『ドランクモンキー 酔拳では、

八仙の酒に酔う姿を模した象形拳である「酔八仙拳」が

扱われている。

どちらも、実在する拳法だが、

酔拳」の「酔えば酔うほど強くなる」は、映画独自のアイディア。

「カンフー激突場面」は、同程度だが、

「修行場面」は、

酔拳」が「蛇拳」の、ほぼ2倍で、

「筋の合間に修行場面をねじ込んだ」という印象が強い。 

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【主題の比較】

『スネーキーモンキー 蛇拳の主題は、

百年来抗争を続け合う蛇形拳と鷹爪拳抗争話

『ドランクモンキー 酔拳の主題は、

ドラ息子を一人前にするため、酔八仙拳の達人に預けるという成長話

 

【筋立ての比較】

『スネーキーモンキー 蛇拳では、

蛇形拳の達人のお爺ちゃん*4

偶然、関わり、

偶然、蛇形拳を教わったことで、

最終的に鷹爪拳から狙われる。

それなりに理に適なっているようにみえる(!?)が、

 87分過ぎまで、

「主人公が鷹爪拳から蛇形拳を守る救世主になる」という命題

観ている側に

提示されないところが難点か。

例えば、

蛇形拳の継承者の息子という設定だったら、

すんなりいったように思える。

『ドランクモンキー 酔拳では、

主人公は、

不真面目なため、修行に勤しめないが、

ある男に打ちのめされ、屈辱を味わうことで、

本格的に修業に打ち込む。

無事に修行を終え、帰宅すると、

タイミングよく緊急事態の一報が届く。

急いで、

父と殺し屋との戦いの場に駆け付けると、

殺し屋は、なんと、

あの因縁の男だったという偶然。

本題(成長話)と殺し屋との決闘は、ほぼ接点がなく

かなり強引な展開。

観ている側は、

修行達成の先の目的が分からないため、

90分過ぎまで「ただ修行を達成するだけ」というテーマ

観ないといけないところが辛い。

 

【決闘場面の比較】

『スネーキーモンキー 蛇拳は、

「蛇形拳 対 鷹爪拳」の対決。

一度、闘って、負けており、最終場面では、再戦の形。

蛇形拳に猫爪のアイディアを加えることで、

終始圧倒し、2分39秒で勝利し、

リベンジ成功と同時に、蛇形拳を守ることにも成功

『ドランクモンキー 酔拳

酔拳 対 無残拳」の対決。

一度、闘って、負けており、最終場面では、再戦の形。

一進一退の攻防から、徐々に攻め込まれるも、

自分らしさの表現と、純度の高い酒で、

新たな型を生み出し

9分37秒で、逆転勝利。

リベンジ成功と同時に、父親を守ることにも成功

 

【まとめ】

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監督、主演、出演者がほぼ同じなため、受ける印象も、ほぼ同じ。

敢えて優劣をつけると、

筋立ての分、

『スネーキーモンキー 蛇拳の方がちょっと面白く感じた。

*1:1978年は、『蛇鶴八拳』、『カンニングモンキー天中拳』、『拳精』、『龍拳』なども公開され、ジャッキー・カンフー映画の当たり年。

*2:『スネーキーモンキー 蛇拳』で監督デビュー。アクロバティックなカンフーアクションを得意とし、1999年の『マトリックス』では、カンフーアクション指導を担当して、ワイヤーアクションを世界に広める。

*3:ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズの主人公としても有名。

*4:スター・ウォーズ』でいうところのヨーダ的存在。